Bitter Sweet
いくつかの取引先を回り、
峰さん達の様子を見ていると、
あらかたの仕事は片付いているようだった。


その予想は当たりだったようで、

17時半くらいには今日の仕事は上がりになった。


「よっしゃ、モモちゃん、街に繰り出すぞー。」
「あ、待ってくださいよー!私まだホテルにチェックインしてないですし、荷物もコインロッカーに入れっぱなしなんで、いったん戻らないと。」
「おー、そうか。じゃあ俺たちも荷物置きに戻るか。」

仕事が早く片付いた喜びで、すぐにでも飲みに繰り出す勢いだったのを何とか制し、いったんホテルへ行く。


ホテルで休んでるサエちゃんにスイーツを差し入れすると、感激していた。
でも、流石に、一緒に出かけることもできず、私の分まで美味しいの食べてきて下さい、と送り出された。


それから、
ついでだしスーツも堅苦しいから着替えてこいよ、という峰さんの提案により、私服へ着替えてから行く事にした。


準備をすませて、ロビーへ行くと2人が既に待っていた。


「わ、すみません、お待たせしました!」

年上の人を待たせてしまった、と慌てて駆け寄る。

「おう。いーのいーの。女性は待たせるより待つもんだから。」
爽やかに言う峰さんに、目を丸くしてしまった。

「オヤ?何、その顔は。」
「…いえ。なんでも。」
意外とスマート?なこと言うんだな、なんて。
思っていると。

「峰さんが顔に似合わないこと言うからですよ。」
ピシャリと昂くんが、私の気持ちを代弁してくれて、スッキリ。

「何だよ、失礼な奴らだな!」

三人で笑いながら、繁華街へと向かった。

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