Bitter Sweet
ロビーへ向かうと、チェックアウトをしてる峰さん達の姿が見えた。


…あ、サエちゃん。

昨日見た時より、いくらか顔色がいい。

私に気づいた彼女は、手を振ってくれた。

「サエちゃん、おはよう。少しは体調良くなった?」

いたわるように、私は彼女の肩に手をかけた。

「まだ、ダルイですけどね~。でも、何とか移動出来るくらいは回復したので。皆さんより一足先に帰らせてもらうことになりました。」

申し訳なさそうに頭を下げられる。

「それなら良かった!…けど、1人で帰れる?心配だなぁ…。」

新幹線に乗ってる間はともかく、東京着いてから、あの人混みの中を1人で歩かせるのはやっぱり、偲びない。


私が一緒に帰ってあげれたらいいんだけどな。

かと言って、サエちゃんの代理で来てるのに、仕事を抜けるわけにもいかないし…。


う~ん、と唸っていると
サエちゃんがクスクス笑ってるのが聴こえた。

「大丈夫、ですよ。実は、彼氏が東京駅まで迎えに来てくれることになってるんで。」
エヘヘ、とはにかんで笑うサエちゃんは、可愛くて、眩しかった。

「そっか。それなら安心だよ!気をつけて帰ってね。」
にっこり笑って見送った。

そして自分もチェックアウトを済ませ、峰さん達と外へ朝食を食べに出た。
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