Bitter Sweet
ー全く、強引なんだから。高梨め。

自分の部屋に到着し、乱暴にバッグをソファへ投げ置き、自分もボスン、と横になった。

顔の上に腕を置いてため息を吐く。

あー、もう。

1人でゆっくりしたかったのに。


…でも。

きっと、色々考えちゃって1人でいるの辛くなって、外に飲みに出てたかも。


アイツ、勘スルドイから、私の気持ち読んで行動してる気もする。


それはそれで、何か悔しい。

高梨の手の上で転がされてるみたいで。


そう思うのに、高梨の言葉に縛られる。

『拒否権ナシね。』

って。生意気すぎて、ちょっと笑える。


一人、部屋で悶々としてるのも性に合わないし。

…神戸土産のワインでも持って行こう。

ふー、と大きく息を吐き、出張荷物の片付けを始めた。



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