Bitter Sweet
そして、案の定。

無駄に飲み比べ大会と化した夜はどんどん更けてゆき、

気付けば朝。


またベッドの上。

隣には高梨。

お互いセミヌード。



…学習能力ないのか、私は。

あ、頭痛い…。

結局、昨晩の高梨の挑発に乗ってしまった挙句、泊まってしまったわけね。

はぁ~、と溜息がこぼれる。

服を着ようとそっと布団から出ようとしたが、何かがお腹に絡まって動けない。

…高梨の腕、だ。


まるで私を逃がさないとでもするかのように。

高梨の腕が、2人を繋ぐ鎖のように見えた。


きっと高梨は、
一晩中、ずっと。
こうして私を、自分の腕の中に閉じ込めて眠ったんだ。


…高梨の匂いがする。

こんなに近くで過ごしてるのに、
私達の関係は曖昧だ。


身体の関係を持ったからって、
好き、とは限らない。


大人になればなるほど、

好きって感情は分からなくなるかもしれない。


どこからが、"好き"で。
どこからが、"好きじゃない"のか。

境界線がハッキリ見えればいいのに。


昂くんを好きだった、昔みたいに。









< 84 / 263 >

この作品をシェア

pagetop