生徒会長さんの救世主
痛みを我慢して必死に学校へと向かう
マスクをしているからまだ傷が目立たないけど、目の眼帯とマスクで中二病の出来上がりだ。
周りの目を気にせず歩いてようやく校門を抜けたあと
後ろからいつもの黄色い声が聞こえてきた
希龍様のご登校ですね
でも、今見つかって声でもかけられたら周りの女生徒が騒ぎ始める...
そう思った私は下足室まで走ろうとした瞬間...
トントン
前にもこんなことが...タイミングが悪いなと思いながら振り返ると
「おはようございます。会長どうしたんですか?その怪我は」
『副会長かよ〜....とりあえず後から説明するからあの植木の裏に隠れよう』
「は?」
意地でも見つからまいと走って副会長を引っ張って植木の裏に隠れた
「『ハァハァ...』」
走ったせいで痛むお腹を抑えながら座る
「何で僕まで...希龍と何かあったんですか?
で、その怪我はそれと関係が?」
やっぱり副会長は勘が鋭い
『あ、ごめんごめん。この怪我は希龍と関係ないし転けただけだから』
「転けたんですか....希龍と関係ないんですね、良かった)ボソッ」
『え、何て?』
「いや....会長はうっかり屋さんだから転けるんですよ、しっかりしてください。
というかなぜ希龍から逃げるんです?関係ないんだったら逃げなくても」
やっぱり言ったよ...副会長とは一緒に活動をして今年で2年目。
仕事の相棒って感じで言いそうなことがわかる。
1つ年下だけどしっかり者のおかんって感じ。
そんな思い出にふけていると
「会長ー?どうしたんですかボーッとして。
転けた時に頭でも打ちましたか?」
『あ、ごめんごめん。いやー副会長とも2年目で最初は可愛かったのに今はおかんだもんな〜』
「何の話をしてるんですか....
日直なんで先に行きますけど、もう転けないでくださいね」
そう言って副会長は去っていった。