生徒会長さんの救世主
昼休み、購買で買ったパンといちごミルクを持って屋上へと向かう
行かないという考えはもうやめた
希龍に入ることに了承したからには覚悟を決めなければいけない
立花は強くしてやるって言うけど何をするのだろう
そんな不安を抱えて屋上の重い扉を開ける
「来ないと思ったけどちゃんと来たんだな」
立花的にも来ないと思ってたのか
『まぁ、自分で決めたことだから。来ないと後から面倒くさいし))ボソッ 』
「あ?何か言ったか?」
『ッいえ、何も』
聞こえてないっぽい...セーフ
「とりあえずみんな揃ったし飯食おーぜ」
お腹を空かせた九音の一言で皆が食べ始める
そういえば昨日はあまり喋らなかったけど
前に座っている可愛い系の男が文橋奏人だっけ...
その隣がクールな唯一の黒髪、黒沼郁弥。
で、その隣が.....『バカそうな...何だっけ』
あっ、やっちまった。
声に出てた
挙句にその男の方をガッツリ見ながら...
「バカそうなって...俺のことか??」
『いっ...いや?違うよ?』
「おい!絶対俺のこと言っただろ!!」
その男は食べたパンを吹き出しながら喋る
「おい、晴。綺麗に食えないのか」
立間が晴という男を怪訝そうに見ながら言う
晴......晴......何だっけ.......確か...........
『綾瀬晴希か!!』
突然立ち上がって綾瀬の名を叫ぶ私を皆が唖然とする。
「え、そうだけど....今更か?
ってか俺の名前だけ忘れてただろ!」
すまん綾瀬。君の名はヒントなしじゃ出てこなかったよ...
『急に綾瀬の名前呼びたくなっちゃってさ、えへへ』
「そうか...なら、いいや!」
綾瀬は納得するとまた食べ始めた
綾瀬がバカで本当に良かったと心から思った瞬間であった。