生徒会長さんの救世主

「次は生徒会長 柊 弥琴-ヒイラギミコト-さんからのあいさつです。」


『生徒会長の柊 弥琴です。
今日から新学期が始まるわけですが、
春休み明けで休み気分が抜けていない人もいると思いますので気を引き締めて授業や学校行事に取り組みましょう。
以上です』


「ありがとうございました。続いては―――」




挨拶をさっさと済ませて生徒会役員の席に戻る



ボーっと夕飯を何作ろうか考えてたら体育館のドアが勢いよく音を立てて開けられた。



視線が一気に一点の場所に集まる。


ドアの向こうの正体は...





「キャーーー! 希龍の皆様だわー!」






随分と豪快な登場なこと





女子は黄色い悲鳴を上げてるし男子は憧れのまなざしで見てる人もいる





私はどちらにも当てはまることなく、さっきと同じように真顔で席に座っている



先生たちはこの場を静めるために必死だし。



まぁこの状況は見慣れたけどね



なんせこの高校に入って3年目。
不良校でもないしエリート校でもない。


普通のレベルの高校だ。



だから族がいてもおかしくないと言われればおかしくない




私は興味がないから希龍についてはメンバーの名前くらいしか知らない




名前も生徒会の会議でよく名前が出るから自然に覚えたんだけどな



とりあえず、早くこの黄色い声が収まってほしい...


生徒会の役員たちを見てみると、みんな興味ないのか私と同じ顔してるよ



こういうのには巻き込まれたくもないから先生に任せる





そしてまたボーっとこの騒がしい場を見ていると...........




希龍の総長 立花凌空と目が合った。




うわ....目合っちゃったよ




さりげなく目を逸らそう。







ふぅ。助かった....





・・・。




なんか希龍の方から威圧を感じるんだけど
絶対あの立花でしょ


自然に目を逸らしたつもりだったのに


悔やんでいるとさらに黄色い悲鳴が大きくなった。


何事かと希龍の方を見ると


え........ちょっと待って..............
状況が理解できないんだけど




希龍が私の方に向かって歩いてきている



やっぱ逸らしたから怒ってんのかな

それとも生徒会長なんだから女どもをおさめろと?




頭をフル稼働させて考えていると
総長の立花が私の耳元で低く囁いた



「放課後、屋上に来い。」

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