らいおん
タイミング
8月9日。
私は瀬川さんに教えてもらった野球場に来ていた。
自分1人で。
美咲はあとから行ってみようかな、なんて言っていた。
自分の気持ちを正直に、亮に伝える。
今でも好きだと。
なんだか落ち着かなくて、キョロキョロと周りを見る。
すると偶然にも、美咲の姿を見つけた。
でもなぜか、声をかけることができなかった。
美咲は観客席の入口の横の壁に立っていた。
視線は真っ直ぐとグラウンドを見つめている。
そこだけ空気が違う。
緊張の糸がピンと張っていた。