らいおん


主審の合図と共に始まった、アイツにとって最後の試合。



中学のときから応援こそしていたものの、実際にプレーする姿を見たのは初めてだった。

カッコイイ、なんてありきたりな表現なんだろう。

そんなんじゃない。

ずっと好きだった野球に向き合う姿は、こんなにも眩しいものなのかと、涙ぐんでしまう。





どうしてあのとき、笑顔で応援してあげられなかったんだろうか。

そしたら何か変わっていたかもしれないのに。





私の目は試合に、亮に、釘づけだった。

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