らいおん
少しずつ、雄介の足取りが重くなった。
あそこの曲がり角を曲がると、野球場が見えなくなる。
意識してるのかどうかはわからないけど、雄介はそれが辛いんだと思う。
「雄介、アレ飲みたいな」
自動販売機を指差す。
「桃のヤツ、買って?」
「なんでだよ」
「期間限定だって!買わなくちゃだよ!!」
雄介を自動販売機に引っ張って行く。
「ねー、今飲んでもいい?」
「ん。」
自動販売機のそばのベンチに並んで座る。
「雄介ー?」
「ん?」
「お疲れさま」
コツンとジュースの缶を雄介の手に当てる。