らいおん
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴るとともに、生徒が帰り支度を始める。
「行こっか」
「あ、駅まで一緒に行ってもいい?」
荷物をカバンに詰めていると、窓の外が騒がしかった。
「なんだろ」
美咲と陽菜が窓から顔を出す。
「あ、アレじゃない?」
生徒が校門の近くで騒いでいるらしい。
「男子高校生?」
「みたいだね。彼女待ちかな?」
「あ、あの制服って清新じゃん。
雄介くんじゃない?」
「まさか。雄介はそんなことしないよ」
「あ、こっち向い───────って、
あれ唐渡さんじゃない……?」
バサバサッドサッ
「わわわわっ」
動揺しすぎだよ自分…。