らいおん
来る者拒まず、去る者追わずの伊吹茜。
地元ではそう呼ばれてるみたい。
ママにそこそこ可愛く産んでもらったおかげで、男に不自由したことはない。
でも、誰でもいいわけじゃない。
私にだって選ぶ権利はある。
「いい男いないかなぁー」
「何言ってるの、もう」
陽菜は呆れ顔だった。
「茜はいいなぁ、モテモテで」
「なに、美咲好きな人でもできたの?」
「別にー?でも美咲も恋したいよ」
真面目にそう言う美咲が可愛くて、つい笑ってしまう。
「タイミングだよ。好きかどーかなんて、後付けでいいんだから」