らいおん
電車の窓から見える夕日を見て、なんだか寂しい気持ちになった。
「茜もいい加減本気で恋すればいいのに」
左隣に座る陽菜がしみじみとそう言った。
「いつも本気だよー」
「ならどーしてすぐ別れるかなぁ」
「なんか、求めてるのと違うんだよね」
次こそ大丈夫、そう思うんだけど。
やっぱりなんか違くて。
「茜ずっと相手はオラオラ系の年上じゃん?可愛い系に手出してみたら?」
右隣の美咲が口を挟む。
「えー、可愛い系?」
「うん」
美咲はどこか別のところをじっと見ていた。