らいおん
「私、我慢できるよ。
電話できなくても、ワガママ言わない。
だから……別れるなんて、言わないで…」
今の私が目の前の亮を困らせていることくらい、わかってた。
でも。
それでも亮と離れたくなかった。
祈るような思いで亮を見つめたら、ふいに腕をひかれた。
全身が心地よい温もりに包まれる。
「俺、お前のそーゆー顔、見たくないんだよ」
肩が少し、震えていた。
本気、なんだ…。
溢れそうになっていた涙が、頬を伝った。