らいおん
孝太郎は毎日欠かさず、同じ時間に電話をかけてきた。
そして日付が変わる前には必ず終わりにした。
孝太郎に会えなくなってから2週間がたった。
『茜、あのさ。ちょっとだけ、外に出れる?』
「ベランダでいい?」
『おう』
私は自室からベランダへ出た。
『下。こっち』
孝太郎が立っていた。
「どーしたの!?」
「ごめん、家、佳乃に聞いた。どうしても直接言いたくて」
ベランダを見上げる孝太郎と、下を見下ろす私。
この景色、見たことある。
あのクリスマスの日……。
心臓だけが大きく音をたてる。