らいおん
「野球の大会ー?」
「そ。孝太郎、出れるみたい」
「えっ、すごいじゃん。陽南でしょー?あそこレギュラー争いヤバいらしいよ?」
美咲がお菓子を口へ運ぶ手を止める。
「そーなの?」
「うん。レベル高いし厳しいから、辞めちゃう人多いんだよ。孝太郎くんて、よっぽど上手なんだね」
「だって孝太郎って中学のとき、県の選抜だったし」
「「えっ」」
私は開いた口が塞がらない。
「それ本当……?」
美咲も恐る恐る佳乃に聞き返す。
「本当だよー」
「そーゆーことは早く言ってよね!」
「え、茜は知ってると思ってたんだもん」
私は首を横に振る。
孝太郎ってすごい人だったんだね……。