らいおん
「あ、陽南来たよ~」
陽菜の視線の先を辿ると、見覚えのあるユニフォーム。
マンガかのように、選手たちのもとには女子高生がわぁっと集まる。
その集団の中に、孝太郎もいた。
「孝太郎って有名人なの?」
「ははは……」
みんな苦笑いするしかなかった。
孝太郎はあからさまに顔をしかめている。
それなのに、目が合ったとたん表情が柔らかくなる。
「茜!!」
手を挙げる孝太郎に小さく手を振り返す。
「来てくれてありがとな」
眩しい笑顔だった。