らいおん
「茜、なんでここに?」
亮の笑顔を見たら、涙がでそうだった。
できるだけ、落ち着いて、ゆっくり話す。
どうか、動揺してるのがバレませんように。
「彼氏の、応援」
そう言った瞬間、亮が悲しそうな表情をしたのは、私の気のせいだろうか。
「そっか。彼氏、どこの高校?」
「陽南」
「じゃあ次の試合、俺の活躍も見てけよ?」
「ばーか。自分で言うなし」
「ははっ。お前も相変わらずだな」
「唐渡先輩っ、雄介先輩が呼んでます!」
「おぅ、今行く!またな、茜」
ぽんっ
亮の手が私の頭に乗った。
一瞬のことだったのに、触られた場所がジンジンする。