らいおん


「……ごめ…んなさいっ……グスッ」



目の前で子供みたいに泣きじゃくる茜。

………唐渡さんのこと、本気で好きなんだ。




今日茜を誘ったのは、きちんと話をするため。

茜の心に引っかかっていることとケリをつけた上で、もう1度告白するつもりだった。





『女は弱ってる時が1番落としやすい』


雑誌にそう書いてあった。


今なら………。






俺は茜に伸ばしかけた手を引っ込めた。




俺にはそんなことできない。


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