らいおん
「どうしよう、私…………」
電話もメールも無視して、陽菜にひどいことしちゃった……。
「大丈夫。陽菜、怒ってなんてないよ。
ただ、茜のこと、すごく心配してる」
陽菜…………。
私はうつむいて唇を噛み締める。
カタン
誰かが席をたつ音がした。
顔をあげると、正面には瀬川さん。
「美咲、電話してくるって」
「わざわざ、ありがとうございました」
私がちゃんと陽菜と話をすればよかっただけなのに、忙しい瀬川さんまで巻き込んで。
自分が情けなくなる。
「亮に、会いたいんだろ?」
「え?」