らいおん
瀬川さんと交代してテーブルにやってきたのは陽菜だった。
今にも泣き出しそうな陽菜は、必死に涙をこらえていた。
「茜、本当にごめんね」
「陽菜は悪くないよ。無視してごめん」
私がそう言うと、陽菜は笑顔を見せた。
「あれ、雄介は?」
遅れてやってきた美咲が、首をかしげる。
「帰ったよ」
私は瀬川さんにもらった紙を見せた。
美咲はすべて理解したらしい。
「そっか。よかった」
「美咲、本当にありがとう」
もう一度お礼を言った。