眼鏡の奥に潜む甘い甘い悪魔
憐れんでる暇はない。
だって、合格しなければ夏休みがない。
高校二年生になって
眞田 静華 人生最大のピンチです。
『静華ー、呼び出しなんだったのよっ!』
教室へ入るなり飛びかかってきたのは
綺麗な髪の毛にスラッとした体型の
私の友達。
『雪恵ー……只今私、最大のピンチです』
『なになに、停学とか?』
『停学になることしてないよー』
停学になるよりは良いの?
良いんだろうけどやっぱり私には
いま目の前に立ちふさがる壁が一番
不幸です。