プラトニック・プラネット
とりあえず。
不思議そうな顔であーだこーだ言ってる賢人の両肩をわし掴み、じいっと睨みつけてやる。
「とにかく。
和泉さんに変なことしたら、
俺、許さないから」
「ちょ、風間、肩痛いって」
「分かった?」
「いたたたた!なんで俺っ?
つか、折れる、折れるっ!」
側で片川達がカウントをとり始めたので、悪ノリして腕を締め上げていると、視界の端で綺麗な黒髪が揺れた。
あ、和泉さん。
「ナインッ!テーンッ!」
「勝者!風間ぁーっ!...っておい!
どこ行くんだコラ!」
ワラワラと騒ぎ出す外野を無視して、まっすぐ和泉さんのもとへ向かう。
ヒューヒューだの、古い冷やかしの声が聞こえたけれど、気にしない。
だってもう、バレてるんだし。
「おはよ、和泉さん」
彼女は相変わらずの寝ぼけまなこで、気だるそうに俺を見つめる。
「...ん?風間くんか。
おはよう」
「誰だと思ったの」
「いっちゃん」
「...性別は間違えないでくれるかな」
そう言うと、和泉さんはイタズラっぽくニヒッと笑うから、俺もつられて笑ってしまった。