プラトニック・プラネット
ずっと、見てるだけの恋だった。
毎朝眠そうにしながら登校してくる君を。
授業中、ぼやーっと外を見ている横顔を。
ずっと、密かに見つめるだけだった。
だから、いま、こうして。
和泉さんの側で、和泉さんと一緒に笑い合えることが、死ぬほど嬉しくて。
名前を呼べば、和泉さんが俺を見てくれるなんて。
いまだに、夢なんじゃないかと思う。
「和泉さん」
「んー?」
「あのさ、」
好きだよ。
...なんて。
サラッと言えるくらいの勇気が、俺にあればいいのに。
「......ジュージャンする?」
「よっし、負けないよ」
「「じゃーんけーん...」」
...はたから見れば、カップルとはちょっと違うように見えるのかもしれない。
だけど、和泉さんとのこの距離感、俺はとても気に入っている。
「俺は、ね」
「何か言った?」
「いや、別に」
「じゃ、苺ミルクお願いねー」
「......」
あとはジャンケンが強くなれば、言うことないんだけど。
***
「2.ばれたけど、ばれてない。」end.