プラトニック・プラネット
まだ、風間くんと私が、ただのクラスメイトだった頃。
確か、6月中旬の、よく晴れた日。
私は、ありえない状況に、ありえない程汗をかきながら、ありえないと心の中で何度も何度も呟いていた。
だって、ありえない。
「和泉、さん?」
「うわああっ」
「あっ、ごめ」
目の前で子犬さながらに、しょぼん、とうつむくこの方は、入学してからずっと憧れている風間くんで。
いまは放課後で、あの風間くんに呼び出されているわけで。
この意味が分からない程ニブくはないけど、ああなるほどと思える程自分に自信があるわけじゃない。