プラトニック・プラネット
まだ、和泉さんと俺が、ただのクラスメイトだった頃。
入学してから1年以上、和泉さんへの想いをひた隠しにしていた俺。
勇気を振り絞って、和泉さんに話しかけてみたことはあるけれど、その回数は両手で数え切れてしまうくらいの数で。
卒業までに告白できたら、というより、二人だけでちゃんと話せたらいいな、なんて淡い望みを抱く日々だったのだけれど...。
ある日、同じクラスの男子と話している和泉さんを見て、猛烈に危機感を持った。
だって、初めて見たんだ。
俺以外の男子と話すところ。
俺以外の奴に笑いかけるところ。
万が一にもと考えたら、居ても立っても居られなくなって、俺は一大決心をして和泉さんを呼び出した。
確か、6月中旬の、よく晴れた日。
帰り、下駄箱でこっそり待ち伏せして。
「ちょっと、いいかな」
なんて、声をかけて。
あのとき、いつもクールな和泉さんの驚いた顔が、意外すぎて可愛すぎて、凄い緊張したのを覚えてる。