プラトニック・プラネット
やばい。
まずい、これは。
俺はやっと冷静になり、慌てて謝って、触れていた手を離した。
ゆっくり開かれる瞼に少し安堵して、それから申し訳なくなって、もう一度謝る。
「困るよね、よく知らない奴に、
突然こんなこと言われても」
よく考えれば、こんなことされたって怖いだけだと、すぐ分かったはずなのに。
自己嫌悪に苛まれていると、和泉さんは目をパチクリさせ、
「...え?なんでそうなるの」
と不思議そうに尋ねた。
「...え?」
「え?」
きょとんとする俺に、彼女もきょとんとして首を傾げる。
えっと...。
俺が怖くて...ああいう反応したんじゃないのかな。
「だって、和泉さん...。
その......泣きそう、だったから」
「それは...」
和泉さんは何か言いかけて、それから困ったように俺を見上げた。
その仕草はひどく可愛かったんだけれども、和泉さんにさえ分からないことが、俺に分かるはずもなく。
何も気にしてないように、笑うことしか、できなくて。
.........つくづく、情けないなぁ。
すっかり意気消沈していると、不意に手をすくい上げられ、驚く間も無く、手のひらに柔らかいものが当たる。
.........え?