プラトニック・プラネット



***



授業中。

黒板を見るつもりが、つい目の前の背中をじぃーっと見つめてしまう。




柔らかそうな襟足とか。

首から肩のラインとか。

頬杖ついてる腕とか。



一年以上、遠くからずっと見てきたけれど、こんなに近くだと......気持ち的に、全然違う。




...あー、やっぱり、かっこいいなぁ。




固そうな白い背中に、そぉっと手を伸ばしてみる。


彼の座る椅子の背もたれにぶつかったところで、急に恥ずかしくなって、進めなくなった。



...ちょっと、だけ......触りたい、けど。



でも、バレたら、恥ずかしいし。




悩んで、悩んで。


何度も指を動かして、止めて。



結局、ごまかすように教科書をパラパラと捲って、ため息。



......私...ヘタレ。



...でも、風間くんに触ったこと、あんまりないし、仕方ないのかな。




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