新宿トライアングル
そのまま、なんとなくで高校に入学した俺は、別にこれといった趣味も無く……。
あえて言うならメンズファッション誌を買い漁っていて、自分を男らしく、カッコよく見せる事に嵌っていた。
周りからイケメンだって言われる事に少しの優越感も感じていた。
勉強はつまらない。
やりたい事もない。
けれど、自分を飾れば少しだけ存在意義が出来る。
誰を求めるわけじゃないくせに、求められないのは寂しいと感じていたのかもしれない。
そして、その雑誌のストリートスナップに呼ばれる事数回。
雑誌の中の本物のモデルの奴らは超カッコ良かったし、俺の憧れだった。
……憧れだけなら良かった。
そう、優亜と逢うまでは。