新宿トライアングル
誘惑
【冬弥SIDE】
再び、新宿2丁目。
「それは無しだろ……」
「どうしたのぉ?冬弥ちゃん」
「ちゃんを付けるな」
「はいはい」
別に大して気にした風でも無く、首をすくめると譲二は他の客の男へ愛想を振りまきに行った。
譲二なら分かってくれるだろうから……悔しいから逆に言えるかよ。
好きな男が、俺の目の前で恋に落ちた……なんて。