新宿トライアングル



俺の顔を見た優亜は、一瞬目を丸くすると、その後心から嬉しそうに笑顔になって抱き寄せた。



普段は俺よりも小さくて華奢な体が、留美視点だとちゃんと男らしく見えるから不思議だ。



優亜の胸は心臓がうるさいぐらい鳴り響いていて、ぎゅっと腰に回された腕が震えている。



そんなに……好きになってたのかよ。



最高に幸せな筈のこの瞬間。



知らない痛みが俺を刺した。



だけど俺は……それには気付かないフリで、優亜に体を預けた。



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