新宿トライアングル
「今日終わったら家行ってもいい?」
あの……殺風景な部屋か?
でも、一度来てるんだもんな。
こくり、と頷くと優亜はまた、俺の知らない笑顔になる。
「飲み代とかさ、俺が全部出すから待ってて!」
……それはホストとして禁忌じゃ??
返事を待たず、売れっ子の優亜が他の客の所へ行くのを目で追いながらも、そうだ。
これだけは言ってやんなきゃ。
近くにいた拓海に今後は優亜を指名すると告げると
「やっと指名決めたんですね!優亜さんなら納得です」
と、嬉しそうに伝票を書き換えに行った。
まぁ納得……なんだろうな。