新宿トライアングル
「冬弥といると落ち着くよな」
優亜はそんな事を言いながら、時々甘えた風にうっかり体を預けてきたりする。
その度に俺の心臓はバクバクしていた。
仕事中は大体そんな感じだし、ちらっと盗み見る度にもどかしい気持ちになる俺だけど、実際に体温を感じたら、少しだけ納得した。
癒し度100点満点の、マスコットキャラ。
ぬいぐるみにしたいくらい。
それは客の思いも、俺の思いも同じだろう。
こんなに無邪気で、自分だけを頼っているようなのに、芯は誰になびいているのか分からない。
毎日見ていても優亜に彼女がいるかどうかすら分からなかった。
そして俺は……性別とかは関係ないんだと気付いた。。
もしも俺が女で……優亜が女だったとしても変わんねーこの気持ち。
そしたら今とは逆で、俺はきっとキャバ嬢にでもなっただけだ。
……お前を追いかけて。