新宿トライアングル
「いらっしゃいませー」
声をかけられ、一歩中に入った私は思わず絶句した。
だって、目の前には芸能人になれるんじゃない? いや芸能人なんじゃない?って、その位綺麗なお姉さんが溢れてる。
「怖気づいた?」
「全然!」
強がりだけど、そう答えた。
「根性は……あるみたいだな」
必死に張った胸と、憧れと。
お兄さんは苦笑してるけどさ。
圧倒されたのは確か。
だけど、ここで働いてたら私もあんな風に綺麗になれるかもしれなくって。
そしたら、冬弥を振り向かせることだって出来るかもしれない!
それって、もの凄い事だよ。