新宿トライアングル
恐らくキャッチにでも出ようとしていたホスト君は、私のあまりの剣幕に負けたのか……苦笑いで案内をしてくれた。
自分のお客になるじゃないのだから無下にされてもおかしくはない。
ちゃんと連れて行ってくれる事にお礼を言って後に続く。
「ドコで働いてる人?」
「3本向こうのチェリーダイアモンド……」
その、名前を出した瞬間!
「マジで? チェリダイ!? 俺初めて逢った!」
私のお店はホストにまで有名なのか。
まぁ、あんなに綺麗なお姉さんばっかりだもんね。
「今度チェリダイの人紹介して下さい!」
って頭下げられても……。
私にはそんな力ゼロだよ。
たわいもない会話をしていると、あっという間に辿り着く。
もう、後には引けない。
冬弥へと繋がる扉が……ゆっくりと音を立てて開かれる。