俺と君の運命論
行為をしている間、ハルキはとても攻めてくる。それはとても嬉しい。
けれど、行為が終わるといつも通り冷たくなる。それは悲しい(可愛いから別にいいけど)。
今日も行為が終わった途端、ハルキは倉庫内にある積み重なった木材の上に腰かけて黙々と服を着た。
その沈黙がやっぱり寂しくて、俺はズボンのチャックを閉めるなりすぐにハルキに抱きついた。
「ハルキ、世界で一番アイシテル」
「ありきたりな言葉ですね」
「ありきたりなのが嫌なんだ。じゃあ趣向を変えて…、こほん。
ハルキ、君だけしかもういらない。俺には君だけ、っていうかもう他の奴らイラナイよね。無駄に人間がうじゃうじゃいてほんとキモいよね。世界には俺とハルキだけで十分なのに。ああそうだ、消そう。俺とハルキ以外みんな消してしまおうか。まあもともと俺とハルキの間には誰も入り込めないから二人きりの世界も同然だったけど、ハルキが他のやつの吐いた息を吸うなんてもう我慢ならない。ねえいいよねハルキ、殺しても、あいつら全然殺してもいいよねだってあいつら邪魔だし俺のハルキをじろじろ見るなんてああもう胸くそ悪いさっさと死ねばいいのにハルキを見るなハルキは俺だけのものねえそうでしょハルキ俺のハルキ愛しい愛しい俺のハルキハルキハルキ!」
「やっぱりいつも通りがいいです」
「君がそれを望むなら」
本音はさっきの言った通りだけど、ハルキが照れて聞きたくないというので少し自重しよう。
「照れたハルキも可愛いね」
「誰が照れたと?」
照れ隠しが下手なハルキも可愛い。