魅惑のキスネコ!【完】
ジンの作ってくれた朝食。
目玉焼きにハムとレタスのチーズベーグル。
ミルクと切ったリンゴも食卓に並んだ。
「いただきまーす」
「いただきます」
二人でテーブルを囲んだ。
美味しい。
目玉焼きの半熟具合が
なんともいえない。
ジンの愛情をひしひしと感じながら
あたしはゆっくりと口を開いた。
「あのね、ジン。
実は・・ポパイが帰ってこないの・・」
ジンの視線を感じる
「え、ポパイが?」
「う、うん、ネコの方ねっ」
言う必要ないと思いつつも
つい念を押してしまった。
「ははっ、分かってるよ。
で、いつから?」
「昨日の・・夕方くらいから。」
「そっか・・
だから昨日のカナ、変だったんだね」
「うん・・ごめんね。
言わなくて。」
「ううん、いいよ。
じゃぁ今日、仕事行く前に交番よってみるわ。
もしかしたら誰か拾ってくれてるかもしれないし。」
「あ、大丈夫大丈夫!
交番は・・えっと・・
昨日もう行ったからっ」
「そう?」
「うん、ただ話さなくてごめんねって思ったの。
ジンこんなに心配してくれてたんだって思って。
ありがとう、それと・・ごめんね?」
そんなあたしにジンは
「いいよ」といってただ微笑んでくれた。