魅惑のキスネコ!【完】

「よい・・・」
しょっと、と言えずに口を噤む。

ロフトを覗く目の前には”手”があった。
一瞬状況が飲み込めない。

「ぽ・・ポパイ!?」

よくみると、ポパイだ!
手をこっちに伸ばして無防備な姿でねむってる。

「ちょっ・・」ちょっとちょっと・・。

あたしは慌ててロフトにのぼりきり
ポパイに近づく。

ロフトの奥には無造作に買い物袋が置かれていた。

そっか。
やっぱり昨日ポパイにキスしてないから
元に戻れなかったんだ・・。
でもよかった、帰って来てた。


ホッとしながら改めてポパイを見た。

どこから引っ張り出してきたんだか
ポパイはシーツやブランケットを集めたものの上で寝ている。

ポパイの反対の手元には

・・いつだったか。

ポパイがジンに突きつけた
あたしの家族写真が散らばっていた。

規則正しい寝息を漏らすポパイはまるで天使のような寝顔で。

寝付くギリギリまで写真を見てたのかな
と思うと愛おしく思えてくるし
同時になんだか笑ってしまう。


視線を動かした先で
Tシャツがめくれて
おへそが出ている事に気づいた。

ジーンズのボタンが外れていて黒い下着が覗いている。

ポパイってちゃんと下着も履いてたんだ・・。
ネコのクセに・・

と、思いながらもなぜか視線をはずせない。


「・・・・・」

ちょ・・

何ドキドキし始めてるのあたしっ!!

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