魅惑のキスネコ!【完】
「かっこいい旦那様でいいわねぇ。
スラッとしててー!
本当、足もお速いんでしょうねぇ」
「いえ、そんな」
「うちの息子なんてガタイがいいだけがとりえだから。
なかなかお嫁さんも来てくれなくてねぇ。
ラグビーもいいけどそろそろ安心させて欲しいわぁ」
「は・・はは。そうなんですねぇ」
どうやら選手の母親らしい。
「そうよぉ。
見た目が怖いみたいでね、
女の子が逃げちゃうのよぉ。
本当は優しいコなのにねぇ」
そういいながらあたしの脇を
チラッと見る。
「彼女は。。お友達?」
奥さん、もとい、お母様はそう聞いてくる。
「えっ、あ、はい。
学生時代の友達です。」
あたしの言葉に反応して
こっちを振り向いたのはアリサ。
今日、どうしても一緒に来たいなんて
珍しく言ってきたから一緒に観戦する事になった。
「あ、どうもこんにちは」
アリサは軽く会釈をする
お母様はにこりとしてアリサに聞いた。
「アナタの旦那様も今日は試合に出てるの?」
「だ、旦那なんていませんよ!
今日は観戦に来ただけですから」
その瞬間、あたしは見逃さなかった。
お母様の目がキランっと光った。確かに光った。