魅惑のキスネコ!【完】
ゴッ...
っと音を立ててリンゴが相手のおでこに命中したらしい。
チラッとそいつを盗み見る。
顔を歪めおでこを摩っていた。
「痛ってぇ・・・」
運のいい事に股間は
ちょうどキッチンのついたてで見えなくなった。
同時にジロッと睨んでくる裸の青年。
あたしはその目にたじろいでしまい
慌てて口を開いた。
「・・だって、そんな格好で近づいてくるから」
ぼそっと言うと
そいつはあたしを睨んだまま言う。
「しょうがねぇだろ!
服なんて持ってねぇんだ。」
服持ってないって。
じゃぁどうやってこの家に来たのよ。
恨めしそうにあたしを睨む瞳。
片手で自分のおでこを摩る仕草。
・・・・・まさかね。
「ぽ・・・ポパーイ・・・?」
「んだよ」
「いや、君じゃなくて・・」
「俺以外いるかよ。」