魅惑のキスネコ!【完】
「あらあらあらあらー!
お綺麗なのにもったいない!
うちの子もね、なかなかいい子にご縁がなくてね。
あそこのー、ホラ、1番のね、
ユニフォームを着ているのがうちのー」
アリサに自分の息子を売り込みはじめるお母様。
当のアリサは「はぁ・・」とかなんとかいいながら
お母様のペースに巻き込まれ始める。
「どうしたの?」
そんなタイミングでアリサの後ろから
ひょこっと顔をだしたのはポパイだった。
ポパイを見たお母様は
目を真ん丸くして一瞬固まった。
「あんらーーまぁっ!!
綺麗な子!
やだわぁ、彼氏さんと一緒なら
早く言ってよぉっ!
恥ずかしいったらありゃしない。
おほほほほほほ」
バシッとアリサの肩を叩くと
お母様はどこかに消えていってしまった。
残されたあたしとアリサ、ポパイは
ぽかんとしてその背中を見送った。