魅惑のキスネコ!【完】

「カナさん知ってます?
お兄ちゃん高校生の時なんか、
怪我ばっかりしてたんですよー」

サヤカちゃんがあたしを見つめる。
あたしは苦笑いでそれに答えた。

「ね!らしいね。
ジンから聞いたよー!
靭帯2回も切ったり鎖骨折ったりしたんでしょ?」

「そうなんですよぉ。
そのたびに病院病院で。
私、何回もグラウンドに
お兄ちゃんの荷物取りに行ってたんです。
まだ小学生だったから
重くて重くて大変でした」

思い出しながら膨れるサヤカちゃん。

「まだ言ってるのかよ。笑
しょうがないじゃん。
暇なのサヤカだけだったんだから。
母さんも父さんも仕事だったりしたし。」

「暇じゃないもんっ。
友達と一緒だったりして
帰ってもらわなきゃいけなくってさ。
小学生なりに気まずかったんだから。」

「よく言うよ。
僕の同級生とか見て”かっこいー”とか
言ってたくせに」

「いっ・・!
言ってないもん!!
お兄ちゃんの嘘つきっ」

「言ってただろうが笑」

じゃれあうジンとサヤカちゃん。
あたしは笑いながら二人の話を聞いていた。


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