魅惑のキスネコ!【完】
「カーナーごーめーんーてー」
ドンドンっとトイレの扉を叩いて来る尻尾男。
あたしはトイレの鍵を閉めたまま
便座に座って考える。
いつもだったら
ジンが出勤したらすぐに出てくるポパイは
何度呼んでも出て来ない。
ポパイと呼べば
尻尾男は当たり前のように返事するし。
何よりも、あの尻尾。
生々しいくらいの凛々しい・・・・尻尾。
ブンブンっと、あたしは頭を振る。
「カァナァー」
「わかったから!出るから!
その前に、寝室行ってブランケットでも巻いてきて!」
扉越しの尻尾男に言い放つ。
「えー?でもカナいつも寝室入るなって言うじゃん」
「いいから!取りあえず前ちゃんと隠してッ」
「わかったよー。ちぇ。
いつもは”カワイー”とか言って指でツンツンするくせに。」
「ぎゃー!!余計なこと言わずに早くしてよっ;」