魅惑のキスネコ!【完】
「そうだな。
人の気持ちを考えれる人、かな。」
「人の気持ちを・・?」
「うん。
あたし昔から
あんまり自分をうまく表現できるタイプじゃなかったの。
引っ込み思案、とかじゃないけど
なんでも我慢しがちって言うか。」
「・・・」
「ジンもそうなんだけど、
そうやって無意識に我慢してると
それに気づいて手を差し伸べてくれるんだよね。
あぁ、あたしの事
見ててくれるんだなって。
そんなジンを見てると
自分もそんな人になりたいって思うよ」
「・・そうなんだ・・」
サヤカちゃんは神妙な顔をして
あたしの言葉を考えているようだった。
「本当、サヤカちゃんは
いいお兄さんを持ってると思うよ。」
「ありがとうございます。」
サヤカちゃんは嬉しそうに答える。
「サヤカちゃん」
「はい」
「サヤカちゃん、
好きな人いるんじゃない?」
「え!!」
あたしの質問に
サヤカちゃんは目をまん丸にして
一瞬絶句し、そしてゆっくりと口を開いた。
「なんで・・そう思ったんですか?」