魅惑のキスネコ!【完】

空いた口が塞がらなかった。

俯いたままのサヤカちゃんに悪いと思いつつも
あたしはその告白に
なんの返事も出来ないでいた。


「・・・カナさん?」


「あ、ご、ごめん。
えと・・」


「・・・。」


サヤカちゃんが
ポパイの事が好きなんて。

どうしよう。
本当はネコなのに。


「・・何か、
まずいですか・・?
もしかして彼女とか・・」

あたしは慌てて首を横に振る。

「あ、いや、そういうんじゃなくて。」

今度はあたしが俯いてしまう。
さっきと立場がいっきに逆。

なんて言えばいいのか
言葉を選ばないと。


考えているうちに
サヤカちゃんが口を開いた。

「もし・・よければ。
今度みんなで出かけませんか?」

「え?」

「カナさんとおにいちゃんと、
ポパイさんと、私の四人で。」


あたしはその提案に
少し考えてから頷いた。

「うん、いいかも。
そうしよっか。」

サヤカちゃんの顔がいっきに華やぐ。

「わぁっ!
ありがとうございますっ!」

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