魅惑のキスネコ!【完】
かなり長湯をしてしまったあたし達は
ちょっとふらふらしながら湯船から出た。
そして着替えをしているときに
サヤカちゃんが小声で言った。
「あ、でもお兄ちゃんには
秘密にしててくださいね・・?
すぐからかってくるから。」
その言葉に
あたしは憤然として答える。
「言わないよっ!
心配しないで。
女同士の秘密ね」
サヤカちゃんが、
そっと小指を出した。
「じゃぁ、約束です」
あたしはその細い指に
自分のもからませた。
「「約束げんまん、
嘘ついたらはりせんぼん飲ーます。
指切った。」」
そしてあたし達は
顔を見合わせて笑った。
サヤカちゃんの
淡い恋心の力になってあげたい。
心からそう思う。
でもポパイはネコ。
大きすぎる壁が
二人にあるのは明らかだ。
でも。
だからってあたしが
サヤカちゃんの気持ちを
止める権利はないよね。
何か、道はあるかもしれない。
どうすればいいのかもわからないけど。
あたしが出来る事をしてあげよう。
そう思った。