魅惑のキスネコ!【完】
あたしは玄関先に新しく作った
鍵用のフックに手を掛ける。
この前ジンが車の鍵をなくして
大騒ぎだったから新しく作ったのだ。
いつもここに掛けるようにすれば
もうなくさないよね。
結局あの鍵は次の日あたしが
部屋中を探して
ジンのスポーツバッグの中から
見つけ出したのだった。
「ポパイ行くよー!」
そのフックから車の鍵を掴んで
ポパイを呼ぶ。
がたがたっと音をさせて
ポパイが玄関に来た。
「どう!?似合う!?」
ポパイは真新しい服を着て
あたしの目の前に立った。
「ハイハイ、似合う似合う。
時間ないからもう行くよ!」
玄関を開けて外に出ると
ポパイはご機嫌で靴を履き
あたしに続いた。