魅惑のキスネコ!【完】
あたし達がたどり着いた先は海。
夏休み前だけど
すでにぱらぱらと人が居た。
「うはー、いい匂い」
ポパイが鼻をヒクつかせる。
「レジャーシート持ってきたから
場所とろう」
あたしが提案すると
ポパイはひょいっとあたしの荷物を奪った。
「俺が持つよ!」
「あ、ありがとう。」
今までポパイになかった優しさに
一瞬戸惑いつつもすぐに一掃し
場所を吟味。
やっと決めて
そこにシートを敷いた。
「水着どうすんの?
俺持ってきてないっていうか
持ってないよ」
ポパイの質問に
あたしはさらっと答える。
「今日は海には入らないよ。
のんびりしに来ただけ。
んーーー気持ちぃー」
伸びをして後ろに倒れこみ
横になる。
ポパイは「ふーん」と言って
同じく伸びをし
あたしの隣に倒れこんだ。
二人で一緒に青空を仰ぐ。
まぶしくてそっと目を閉じた。