魅惑のキスネコ!【完】
あたし達は靴を脱ぎ
砂浜に裸足を埋めた。
ひんやりと冷たい砂の中は
なんだか癖になりそうな感覚だった。
飛んできたビニールボールを捕まえ
それを追ってきた少年に渡すと
ポパイはその子と一緒に遊びだした。
そんな二人を眺めながら
あたしは笑ったりしみじみと
二人を眺めたりした。
戻ってきた二人に
手作りのお弁当を広げると
まるで子供が二人居るみたい。
すぐに少年の両親が来て
去っていってしまったけど。
また二人きりになった
あたしとポパイは
静かな波を眺めていた。
遊びつかれて気持ちいい。
「そろそろ、帰る?」
あたしがポパイに
尋ねるように聞いた。
ポパイは視線を海に向けたまま
そっと口を開く。
「うん。
てか、今日は連れてきてくれて
ありがとうな」
「うぅん。
こちらこそありがとうね」
「え?」
ポパイが不思議そうに
あたしを見た。