魅惑のキスネコ!【完】

「あたしに拾われてくれて
ありがとう」

「え・・」

困ったような顔をするポパイに
あたしはクスッと笑う。


「今日はね、
ポパイがうちに来た日なんだよ」

「あ・・・
そ、そうなんだ・・」

ポパイはバツが悪そうに言う。


「いいよ、別に覚えてなくても。
ていうか、覚えてるはずないもん。
あの時はまだ子猫だったし。
ネコだったし。笑」

そう言うと
ポパイも苦笑いをした。

「なんか、色々あったね。
でもやっぱりあたしは
ポパイがうちに来てくれて
本当に良かったと思ってるよ。」

「カナ・・」

「こうやっておしゃべり出来るのも
本当に嬉しいし。
なんていうんだろ。
言葉じゃ、表現できないや。
神様って、本当にいるんだなぁって
そんな感じ」


波がきらきらで美しいのも
海鳥の鳴き声が
夏の海に絶妙にマッチしているのも

素晴らしい事であり、
きっと奇跡の様な当然。


あたしとポパイの関係も同じ。

こうやってあたしの中で
奇跡の様な当然になろうとしているんだ。


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